こうしてわずかの気温変化にも耐えられない地力のない農地が増えてしまった。
貧困の悪循環に戦前の日本の農村は陥っていた。
しかし、戦前の為政者たちは、農村の改善よりも、植民地の農地を零細な日本の農民に分配する政策を選択した。
悲しいことに貧しい農民ほど軍国主義時代には好戦的にならざるを得なかった。
土地なき農民たちは、他国を侵略する自国政府によって植民地の土地を分配してもらえたからである。
市場は公平ではない人の身ぐるみをはがすような質(たち)の悪い高利貸しのような金融業のみが繁栄し、圧倒的多数の給与生活者が将来を保証されなくなるとき、戦前の農民と同じく、労働の現場が崩壊する。
職場が生き甲斐ではなく、恐怖の場となり、対話の場でなく、他人を蹴落とす地獄の場となる。
市場は合理的である、と金儲け至上主義者はお題目のように語る。
しかし、市場はけっして公平ではない。
今日、栄耀栄華の生活を送っている人々の職業を見れば、もっとも端的にそれが分かるであろう。
一攫千金のチャンスを生かした人々の中に、何万人の人員を雇用している「モノ作り」の経営者はいるであろうか。
あくどい金融を生業とし、人の射幸心をあおって、巨額のあぶく銭をせしめる業種の経営者に金持ちが集中している。
市場経済が、社会全体を支配してしまえば、社会には儲かる産業のみが残存することになる。
今の時代、儲かる産業とは、従業員を酷使し、設備投資も行わず、ビルのような不動産も、工場ももたない身軽な産業である。
その典型が人の射幸心に依存する類の高利貸し的な新しい金融業である。
このぬかるみはいつまで続くのか。
社会に英知があれば、早晩悪徳金融は廃絶されるだろうに。
問題は「業績連動報酬制度」第二次大戦直後の日本には、儲かる産業と儲からない産業とを区分した、それぞれの業態に応じた金融組織の棲み分けがあった。
このような合理的な金融組織が、「護送船団方式」の打破という、アメリカ発のスローガンによって破壊され、金融のデパート化を目指した自由化によって、金融組織は、儲からない「モノ作り」から離れ、儲かるファンド投資に傾斜することになった。
金融庁が、二○○七年ニ一月一五日、国内金融機関のへツジファンドヘの投資実績の数値を発表した。
金融機関によるヘッジファンド商品投資は、二○○五年度で約三兆円と、前年よりも約四○%増えた。
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